債権質と譲渡担保の違いをわかりやすく解説

私たちが日常生活を送る中で、お金や財産に関する法律や契約はとても重要です。特に、企業や個人が資金を調達する際には、担保となる財産の取り決めが必要になることがあります。そこで登場する言葉が、債権質（さいけんしつ）と譲渡担保（じょうとたんぽ）です。これらはどちらも担保の一種ですが、それぞれの特徴や仕組みには明確な違いがあります。

債権質とは

まず、債権質について説明しましょう。債権質とは、借金をする際に、その返済を保証するために債権を質に入れることを指します。ここで言う債権とは、他の人（債務者）に対して持っているお金をもらう権利のことです。たとえば、A社がB社に100万円の売掛金を持っているとします。この売掛金を債権質としてC社に預けると、C社はA社にお金を貸すことができます。もしA社が返済できなかった場合、C社はB社から直接お金を受け取ることができます。

譲渡担保とは

次に、譲渡担保について見てみましょう。譲渡担保とは、債権を担保にしてお金を借りる形式の一つですが、債権の所有権そのものを一時的に譲渡する契約です。この場合、債権の所有権は譲渡先の人（譲受人）に移ります。しかし、借りた人（譲渡人）は債権が回収できると、譲渡受けた債権の価値の分だけのお金を受け取ることができます。もし返済がなかった場合、譲渡受人はその債権を利用して返済を受け取ることができます。

債権質と譲渡担保の表での比較

項目	債権質	譲渡担保
所有権の移転	移転しない	一時的に移転する
返済不能時の権利	債権者が回収権を持つ	譲渡受人が回収権を持つ
契約形態	質権契約	譲渡契約